中学入試の動向
●大分県内の中学入試は、昨年度に引き続き、1月4日の岩田中、大分中の2校を皮切りに、大分の中学受験生の多くが正月明けすぐの1月4日から入試にむかうということになりました。以降も、5日は大分中学の適性検査入試や算数入試が午前と午後にわかれて行われ、6日は向陽中学の一般入試と岩田中学の推薦入試が実施されました。さらに1月7日に附属中学、豊府中学で入試が実施され県内入試はほぼ終了しました。近年、県内の各中学校では、受験生の確保と利便性を考慮し、入試制度や入試日程を変更してきましたが、複数校を受験する受験生にとっては例年通りタイトな日程の中での勝負となりました。
●さて、この中で注目すべき中学は豊府中学です。豊府中学は、受検者数の増加もさることながら、年々本格的な受検準備をした受験生の集まる入試になっており、偏差値で明確に語れる入試ではありませんが、合否は些細な部分で分かれたような印象を受け、激戦入試の感があります。この激戦傾向は今後も強まることが予想されます。
※2011年度の入試情報です

主な中学の入試動向(2011年度入試)
【大分中学】
開校7年目となった2012年度入試は、県下では最も早い日程の1月4日と、1月5日に実施されました。入試形態としては1月4日には「4科目型」の4科目入試、1月5日には「適性型」の午前入試と「算数型」の午後入試が行われました。定員は合計50名で、4科目型は30名、適性型・算数型は各10名に配分されています。定員に対する受験者の倍率は高くなっており、入試そのものが難化したことが予想されます。適性型入試では、適性Ⅰは国語(聞き取り問題あり)と社会、適性Ⅱは算数と理科の記述式問題が出題されています。4科目型入試では、思考力を問う問題が出題され、問題のレベルは昨年同様、県下の私立中学の中では高いものとなっています。入試に向けては基礎から応用までしっかりとした対策が求められています。
【向陽中学】
向陽中学校は大分東明高校特別進学コースに接続する、併設型中高一貫教育の学校です。今年度で開校7年目になります。2010年度入試では定員40名に対して151名が受験、合格者平均点は263.3点となり、過去最高でした。2011年度入試は、定員40名に対し140名が受験し、発表当日の合格者数は2010年同数の67名で、競争倍率は2.1倍、合格者平均点は問題の難化により2010年度に比べ下がり、233.0点となっています。2010年度は見られなかった算数における受験者平均点と合格者平均点の大きな差は、2011年度は理科も加えて再び顕著となっており、算数・理科に特に重点を置いた対策が求められています。
【岩田中学】
大分県内の中高一貫校の先駆者として歴史を持つ岩田中学校は、2001年度より男女共学校へ移行し、2010年度からは年内に出願資格確認審査のある推薦入試と、年明けに学科試験のある一般入試という形で入学試験が行われています。推薦入試は、生徒本人と保護者1名の面接試験となっています。しかし、推薦入試に先立って行われる出願資格確認審査には算数・国語の基礎学力を検査する適性検査が課されるため、しっかりとした対策がやはり必要となってきます。一般入試は、国語・算数・理科・社会の4科目で行われました。
【大分豊府中学】
2011年度の選抜検査における志願倍率は3.9倍で、2010年度(3.4倍)を上回りました。とくに男子がほぼ横ばい(214→219→214)なのに比べて、女子は、2010年度の減少から増加(275→189→256)に転じました。その結果、3.9倍という県下の中学受験では最高の倍率になりました。このことより第一志望としている生徒の割合は依然高いといえます。さらに、豊府中学合格をより確実にと考え、事前に私立中学入試を経験させておくご家庭もみられました。
公立高校入試の動向
ゆるぎない学力の養成とともに、進路および志望校の決定について熟慮が必要です。
ここ数年の大分県の公立高校入学定員を見てみますと、かなり細かく年度によって受験者数を判断し、その増減を行っています。2012年度の入試では大きな定員数の増減はなかったものの、野津高校の募集停止と大分南高校の福祉科新設という変化がありました。これは大分県の高校改革推進計画後期再編整備計画の一環であり今後も定員数の増減や統廃合が進むことを考えると、受験生と保護者にとっては今以上に予測し難い悩ましい志望校選択を強いられることが予想され、受験情報に関しては一層の収集と分析を行う努力が必要とされます。また普通科高校入試においては、面接試験を実施する高校が減り、より学力(調査書含む)重視の入試になっていることから、中学校の早い時期からの学力向上が要求されます。さらに上位レベルの高校で見ますと、他県では公立高校入試においても各高校独自に作成した問題による入試がすでに始まっており、その波が大分にも押し寄せてくるのも遠い将来とは言えず、上位レベルの高校へ進学を希望するには入試問題そのものの難化に耐えられる学力の育成がますます必要となってくると思われます。現在の入試問題においても合格基準点は下がっていないものと考えられ、また、高校入学後の数学の進度にも見られるように高1の早い段階で、いわゆる高1内容の学習を終えて高2内容に入っていくという履修の高速化が近年顕著に見られることからも、自身のその先の志望と適性をしっかりと見つめ、ゆるぎない学力を育成していくことがますます重要となっています。
募集定員と倍率
2011年度入試では県内トップの上野丘高校の倍率はほぼ横ばいで、舞鶴、豊府といった高校の倍率が下がりました。受験生にとっては合格をより確実なものにしたいという思いから志望校レベルを下げるといった動きがやや多く見られ、大分市内の高校の定員数減少もあって成績中位層の受験生が志望する高校の倍率が全体的に高くなる傾向が続きました。2012年度は2011年度の上野丘、舞鶴、豊府で下がった倍率の影響を受ける可能性があります(2012年度の入試結果につきましては7月実施予定の『公立高校入試分析会』にて詳しくお伝えします)。
公立高校の入試出題傾向
基礎内容の把握と定着を意識することが点数アップの鍵となります。
昨年の大分県公立高校入試問題の出題傾向を見ますと思考力、表現力、発想力を問う問題が増えてきています。またそれぞれの問題は基礎問題から応用力を試す問題までバランスよく出題されます。ここで得点の柱となるのは『基礎問題の確実な解答』です。授業時間の削減などもあり、科目によっては基礎的内容を十分に演習しきれないまま受験をむかえる学校もあります。基礎問題をミスなく解くためには学習内容の把握だけではなく、問題を解けるようになること、すなわち『定着』を意識した演習量の確保が必要です。

推薦入学者選抜
2倍を超えることもある推薦入試に過度の期待は禁物です。
定員の50%〜100%の範囲で実施される「推薦入試A」(実施学科:別府羽室台高校外国語科・大分舞鶴高校理数科など)と、普通科10%以内、専門学科15%以内、総合学科30%以内で、入学定員に対する募集人員を各校が定める「推薦入試B」があります。平成24年度は2/7、2/8にて面接・小論文を中心に実施されました。倍率が2倍を超えることもあり、推薦入試に過度の期待を持つことはせず、高校内容をこなしていくため、入学時に必要とされる学力をしっかりとつけておくことを念頭に、まずは一般入試での合格を目標に受験対策を進めていくべきです。
志望校合格に必要な対策とは…
上記のような高校入試の動向から、「志望校合格」に必要なキーワード(対策)が浮かび上がってきます。

全国の大学入試動向
大学全入時代と言われますが、難関大学の志願者は増加傾向で難易度にも変化がありません。
入学定員が入学希望者数を上回る「大学全入時代」をむかえました。確かに少子化による競争率の低下、大学・学部の新設や受験機会が増加するなど、合格しやすくはなっています。しかし、実際には人気のある大学に受験生は集中し、難関大の志願者は逆に増加傾向。難易度にも変化がないのが現状です。人気の学部はますます入りにくくなっています。こうした状況をふまえたしっかりとした受験対策が必要です。
AO・推薦入試
AO入試での入学が急増。推薦入試とあわせると大学進学者の半数に迫る勢いです。
大学入試は国公立大・私立大ともに、「一般入試」「AO入試」「推薦入試」の3つに分かれます。AO入試・推薦入試の割合は年々高まる傾向にあり、4年制大学進学者全体の半数に迫る勢いです。AO入試は、書類審査・小論文・面接などを組み合わせて学習意欲の高い生徒を取る入試制度です。推薦入試と似ていますが、「グループディスカッションなど推薦入試にない選抜方法を採用」「じっくりと人物を評価するため選考に時間をかける」などの点で異なります。2012年度は、私立大で466校、国公立69校がAO入試を実施しました。ただし、一部の難関大学でAO入試を廃止する動きも見られるので、志望校の入試動向には十分注意しましょう。
センター試験
センター試験は、国公立大・私立大の約9割が利用。
国公立大では5教科7科目が標準です。
2012年度のセンター試験の志願者数は約55万5500人。国公私立合わせて674の4年制大学がセンター試験を利用します。今や私立大のセンター利用数は、2012年度入試では513大学にのぼっています。主要な国公立大のほぼすべてにおいて5教科7科目が課せられるようになっており、受験生にとってはかなりの負担になると思われます。幅広い科目での基礎学力の強化がますます重要になっています。なお、2012年度入試より、社会科において「倫理」と「政治・経済」を統合した「倫理、政治・経済」が新たに加わっており、「倫理」や「政治・経済」を対象から外す大学もあるので注意が必要になっています。
国公立二次/私大入試
大学ごとに配点パターンが異なる国公立二次試験。小論文・面接を課す大学が増加傾向です。
私大入試は複雑で多様化。志望する大学・学部の入試方式に合わせた対策が不可欠となります。
国公立大の二次試験は「センター試験重視型」「二次試験重視型」「平等配点型」と志望大学によって配点パターンが異なるので、注意が必要です。二次試験で小論文や面接を課す大学も増えています。私立大の入試の基本は3教科型の受験ですが、センター試験利用のほか、複線入試・得意科目重視型・試験日自由選択制・地方試験・ユニーク試験などがあり、同じ大学の同じ学部で複数回の受験も可能です。このように多様化する入試方式の情報をつかみ、志望する大学・学部ごとの対策が必須となります。
大分県の大学入試動向
国公立大学進学志向の高い大分県では地元の大分大学をはじめ九州地区内の国公立大学への進学意識が高く、九州地区内の主だった大学の実質倍率を見ると、2011年度は九州大学3.1倍、佐賀大学2.4倍、長崎大学3.2倍、熊本大学3.5倍、大分大学4.4倍、宮崎大学5.7倍、鹿児島大学2.7倍となっており、いずれの大学も決して広き門ではないことが見て取れます。また、医学部などの学部では後期日程を廃止し、AO入試において地域医療での従事を条件とした地域枠の拡大における定員増が今後も続いていくと思われます。国公立大学の後期日程の廃止が進む中で、九州大学などは薬学部でAO入試を廃止し、後期日程を復活させるなど一部の大学では見直しが進められています。
大分大学





















