奈良県の中学入試の動向
2006年度の近畿圏統一入試初年度では、対前年比6割の志願者数にまで落ち込んだ奈良県ですが、2007年度以降復調の兆しを見せており、2011年度も志願者数減をくい止める対応策が功を奏したものと言えます。
トップ校の東大寺学園は例年通り、開始日3日目の16日に入試日程を選択しました。医学部志望の多い同校ですが、医学部こそオールラウンドタイプというコンセプトで理系に頼りすぎない指導を行います。西大和学園は大きな変更を発表しています。まず、2回あった入試を開始日2日目15日の1回のみとし、4科受験は午後14時開始、3科受験は午後14時50分開始の午後入試としました。最難関校の午後入試だけに、奈良県のみならず、近畿圏全体の併願パターンに影響を与える変更となっています。また、育英西は2・4科選択制を導入することになりました。智辯学園は後期入試を開始日4日目の17日に新設し、併願生の確保にも動き出します。受験教科は、前期は従来通りの3教科ですが、後期は2教科になります。帝塚山学園は、女子特進も2教科受験はなくなり、3・4科選択入試となり、受験生のレベルアップを狙います。

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公立高校入試状況
奈良県は、元々公立高校志向の高い地域であり、また、昨今の長引く不況のもと、公立高校の授業料が無償化されたということもあり、学力上位者に関しては「できれば公立上位校へ」という流れは基本的に今年も変わっていないようです。また、昨年度が「公立授業料無償化」元年で、公立志向により拍車がかかった結果、上位の公立高校の競争倍率が軒並み上がり、受験生にとってはかなり厳しい入試となったことと、奈良高・平城高をはじめとする募集人員の削減により、特に学力上位者は、「より確実に公立高校へ」という安定志向の傾向が強まり、2011年度は全体的に競争倍率は減少しました。
○一般選抜入試の状況
2011年度の奈良県の公立高校一般選抜入試の倍率は、右にも記したように、公立志向は維持されたうえに、安定志向が強まり、全体的には減少しました。
また、昨年同様、学力検査と調査書の比率に関しても、2005年度までのほぼ1:1の比率から大きく変化が見られることには変わりありません。


表から見てとれるように、特に上位校は、軒並み内申(調査書)の比重が低くなっており、一部の高校群は、より実力重視だが、多くの学校は2:1で定着しつつあるのが現状です。したがって倍率の高さも考慮すると、内申のみで受験校を安易に決定することなく、こうした入試状況を認識した上で受験していくことが大切です。さらに、私立入試が公立入試に及ぼす影響も意識しておく必要があります。今後、奈良県においても私立高校の授業料が無償化されたりすることになれば、また受験事情も一変してしまう可能性もありますが、現状のまま、という前提で考えるならば、今後も学力上位であればあるほど公立志向は高く、気の抜けない入試が続くことになると思われます。
○特色選抜入試の状況
これまですべての全日制課程で実施されていた特色選抜は、2012年度からは全日制課程の「専門学科」「総合学科」「普通科の第1学年から定員を
定めて募集するコース」でのみ実施されることになり、簡単に言うと、いわゆる「普通科・普通コース」における特色選抜がなくなる、ということにな
りました。普通科・普通コースの公立高校を第一希望とする受験生にとっては、従来の特色選抜に向けた余計な傾向対策の学習に時間を割かれ
たり、本来不必要な「不合格体験」をすることもなくなり、目標を一般選抜一本に定めることができ、様々な面で歓迎すべきことだと思われます。

私立高校入試状況
公立志向が高まる中、元々、私立高校の競争倍率は年々低下傾向にありましたが、2011年度は各高校とも2010年度からほぼ受験者数が減って います。したがって、競争倍率の低下傾向も2011年度も変わっておらず、一部の難関私立を除いては相変わらず「合格しやすい」傾向にあります。 全体的な受験者数の減少が原因であり、2011年度は奈良県の公立中学に通う中3生の数自体が2010年度よりも543名減少していることが主な ところですが、他にも、大阪私立の授業料が無償化されたことにより、大阪在住の受験生が奈良の私立を受験しなくなった、といったようなことも あげられます。併せて、その競争倍率の低下により、私立を併願することの一つの大きな意味である「公立に向けての試金石」的な意味合いがか なり怪しいものとなったことも影響としてあげられます。

全国の大学入試動向
大学全入時代と言われますが、難関大学の志願者は増加傾向で難易度にも変化がありません。
入学定員が入学希望者数を上回る「大学全入時代」をむかえました。確かに少子化による競争率の低下、大学・学部の新設や受験機会が増加するなど、合格しやすくはなっています。しかし、実際には人気のある大学に受験生は集中し、難関大の志願者は逆に増加傾向。難易度にも変化がないのが現状です。人気の学部はますます入りにくくなっています。こうした状況をふまえたしっかりとした受験対策が必要です。
AO・推薦入試
AO入試での入学が急増。推薦入試とあわせると大学進学者の半数に迫る勢いです。
大学入試は国公立大・私立大ともに、「一般入試」「AO入試」「推薦入試」の3つに分かれます。AO入試・推薦入試の割合は年々高まる傾向にあり、4年制大学進学者全体の半数に迫る勢いです。AO入試は、書類審査・小論文・面接などを組み合わせて学習意欲の高い生徒を取る入試制度です。推薦入試と似ていますが、「グループディスカッションなど推薦入試にない選抜方法を採用」「じっくりと人物を評価するため選考に時間をかける」などの点で異なります。2012年度は、私立大で466校、国公立69校がAO入試を実施しました。ただし、一部の難関大学でAO入試を廃止する動きも見られるので、志望校の入試動向には十分注意しましょう。
センター試験
センター試験は、国公立大・私立大の約9割が利用。
国公立大では5教科7科目が標準です。
2012年度のセンター試験の志願者数は約55万5500人。国公私立合わせて674の4年制大学がセンター試験を利用します。今や私立大のセンター利用数は、2012年度入試では513大学にのぼっています。主要な国公立大のほぼすべてにおいて5教科7科目が課せられるようになっており、受験生にとってはかなりの負担になると思われます。幅広い科目での基礎学力の強化がますます重要になっています。なお、2012年度入試より、社会科において「倫理」と「政治・経済」を統合した「倫理、政治・経済」が新たに加わっており、「倫理」や「政治・経済」を対象から外す大学もあるので注意が必要になっています。
国公立二次/私大入試
大学ごとに配点パターンが異なる国公立二次試験。小論文・面接を課す大学が増加傾向です。
私大入試は複雑で多様化。志望する大学・学部の入試方式に合わせた対策が不可欠となります。
国公立大の二次試験は「センター試験重視型」「二次試験重視型」「平等配点型」と志望大学によって配点パターンが異なるので、注意が必要です。二次試験で小論文や面接を課す大学も増えています。私立大の入試の基本は3教科型の受験ですが、センター試験利用のほか、複線入試・得意科目重視型・試験日自由選択制・地方試験・ユニーク試験などがあり、同じ大学の同じ学部で複数回の受験も可能です。このように多様化する入試方式の情報をつかみ、志望する大学・学部ごとの対策が必須となります。
近畿圏の大学入試動向
大阪大学
大阪大学ではセンター試験は5教科7科目/6教科7科目が基本です。
二次試験は万全な基礎力なしでは対応できない「思考力を要する難問」が出題されています。
大阪大学には、文学部、人間科学部、外国語学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、基礎工学部があり、全国の動向と同じように5教科7科目/6教科7科目が基本です。前期日程においては人間学部、法学部、医学部保健学科(看護学専攻)を除くと、二次試験の比重が高くなっていますが(経済学部は3つの配点方式で特殊)、所定の倍率を超えると二段階選抜が行われることや難度の高い二次試験に備えて1点でも多く得点することは合否にも大きく影響してきます。





















