国私立中学入試の動向
■広島市を取り巻く中学入試
高倍率の県立広島中学校
開校以来、高い人気と高倍率の広島中学校。教育委員会の肝いりだけあって、大学入試進学実績も23年度は過去最高でした。100名以上の国立大学合格者を出すなど県内有数の進学校に成長しました。
広島中学の入試は算・国・理・社の教科試験ではなく「適性検査」+「面接」で行われます。問題文や図、表などを正しく読みとるだけでなく解答用紙に自分の表現したいことを的確にかつ、相手に伝わるように書く能力が求められるのですが、このような力を一朝一夕でつけるのは大変難しいことであると思います。教科書内容の徹底理解はもちろんのこと、基礎学力に基づいた「様々な角度の問題への対応力」「自分の考えを相手にわかりやすく伝える能力」を1年から1年半かけて継続的に鍛えていくことが大切で、入試直前の小手先だけの入試対策は一切通用しないと言えます。
広島市の私立中学入試
広島市周辺の中学受験の規模は修道(男子)と広島女学院(女子)の合計の人数でほぼはかることができます。この不況下の状況において21年度、22年度と連続して志願者数が減少しており、23年度は、ほぼ前年度並みの志願者数で推移しています。しかし、こうした志願者減少傾向によって入試難度には変化はなく、むしろ多くの中学では難化していると言えます。
私立中学校の入試対策をするためには中学入試専用の勉強が必要です。もちろん入試に出題される内容は文科省の指導要領から極端に逸脱することはありませんが、出題内容は小学校の教科書内容を普通に学習しただけでは到底解けないような問題が大半です。中学受験専用カリキュラムを小学4年になる前の2月(新小4という)から小6の夏休み前までの2年半以上をかけて学習(単元学習という)、6年生の夏休み以降は、それまで学習したカリキュラムをアウトプットする総合問題演習や過去問の演習をするのが一般的です。ここ最近、中学受験の一般化の流れとともに受験勉強開始時期の遅延化傾向が非常に強いことを感じます。中学入試を決意するのが遅いということです。中学入試に必要なカリキュラムの絶対量は一定です。準備開始時期が遅くなるほど状況は不利になることは言うまでもありません。中学受験は「親子受験」です。「中学受験するか、しないか」「その覚悟はあるか」ということを十分にご家族で話しあった後、早く中学受験勉強を始められることをお薦めいたします。
広島大学附属中学校の入試動向
19年度より抽選が廃止された附属中学校。私立中学は軒並み志願者を大幅に減少させましたが、あい変わらずの高倍率です。圧倒的な人気を誇る附属中学校では毎年男女合わせて1,000名前後の受験者がおりますが、附属小学校からの内部進学者も募集人数の120名には含まれているため、非常にせまき門であると言えます(年度によって内部進学者数が異なり、附属小学校からでも全員が附属中学に上がれるわけではない)。平成18年までは算・国・理・社の4教科各100点だったものが19年から算・国各100点満点、理・社各60点満点となり、他校と同様算・国重視に変わりました。
入試の難易度としては広島県で最難関というのは従来から変わりません。特に合格者の平均得点率は広島市内随一、実に80%から86%必要です。つまりひとつの問題文の読み違いや勘違い、1箇所の計算ミスや判断ミスが即、命取りとなりかねないということです。抜けのない幅広い知識とミスを最小限にとどめる精神力を普段から鍛えておくことが合格へのカギといえるでしょう。
附属中の場合、受験者層は他の私立中学とは少し異なるようです。近年、基町高校を筆頭に公立高校が進学実績や教育内容などにおいて復活の兆しを見せ始めています。ということは無理に中学受験のための勉強を何年もかけてするより中学校でがんばって公立のトップ高をめざしたほうがいいと考えるご家庭が多くなり、「附属を受けるだけ受ける」というような記念受験組が多くの割合で含まれると推測されます。もしかすると附属中はこれから不況の時代において穴場になっていく可能性もあります。

■広島県東部を取り巻く中学入試
広島県東部の中学入試は2004年度に開校された公立の中高一貫校の広島県立広島中学校・福山市立福山中学校の影響もあり多様化の様相を呈しています。広島県東部は人口の割に国・公・私立の中高一貫校が多く存在していることもあり、中学受験の存在がそれほど特別なものではない地域になっています。その中で、この地域において圧倒的な人気を誇る国立の広大附属福山中学校では毎年男女合わせて1,000名以上の受験者がおり、2006年度までの一次試験の倍率も5倍前後の難易度の高い学校です。その広大附属福山中学校が2007年度入試より二次選考の抽選を廃止し、作文を試験科目に加えるという大きな入試制度の変更が行われました。この変更に伴い合格者の数が「定員通り」になり、いっそうの高倍率を引き起こしたことは言うまでもありません。また、2006年度の合格者平均得点率が85%以上必要だったことを考えると、さらに高い得点率が求められるハイレベルでミスが許されない入試が続くことはほぼ間違いないでしょう。このような広大附属福山中学校の難化は、合格をめざす受験生にこれまで以上にハイレベルな学習を課すことになり、今後この地域の中学入試にさらに大きな影響をもたらしていくと思われます。
安定した人気と高い倍率・公立中高一貫校
また広大附属福山中学校に続く人気校として位置づけられる広島県立広島中学校ならび福山市立福山中学校の公立中高一貫校では、開校当時の受検者数に比べると減少傾向にあります。これは、入学者選抜方法が「適性検査」「面接」ということで、学科試験とは異なることもあり受検者が殺到した開校時から、「高い倍率」「適性検査問題の難化」という現実を受け、受検を控える生徒が増えたものと思われます。しかしながら、入試日程が主な私立中学校と広大附属福山中学校の間にあり、併願しやすいポジションにあること、公立中学校という通いやすい条件であることからも高い人気を保ち続けていくと思われます。ただし、「適性検査」に対しては、十分な準備が必要ということはこれまでの受検結果でも明らかです。基礎学力に基づいた「様々な角度の問題への対応力」「自分の考えを表現する力」を鍛えていくことが大切です。
学校での特色で選ぶ私立中学校
私立中学校では、毎年の入試日程によって多少、受験者数に変化は出ますが、中高一貫校で学びたいという受験者のニーズのもと、一定の人気を保ってきています。近年は1月上旬に集中して入試が行われるため年度によっては数校の入試日が重なることもあり、このことが入試結果に影響を与える要因になっています。それぞれの私立中学校ではこれまで以上に大学進学実績に加え、様々な学校の特色を出してきています。このことは、公立高校の大学進学実績が大幅に伸びていく中、私学として中高一貫で学ぶメリットをいかにアピールしていくかが問われ始めているという背景があります。このような状況での「学校選び」は、単に学力だけの問題ではなく、受験生の性格や学習環境を十分考慮にいれた選択が重要なポイントになってきています。
このように一口に「受験」といっても志望校や学力レベルに応じて、そのアプローチは多岐に渡ります。アクシスではさまざまな講座・システムでの対応と指導の強化を図り、お子さまの合格をサポートしていきます。
高校入試の動向
■広島市を取り巻く高校入試
人気・難易度が上昇する地元公立トップ高校
広島県の公立高校の入試制度は、ここ数年の全国的な制度改革と同様に①総合選抜制度の廃止②学区制の廃止③独自入試問題の導入④推薦制度の導入という一通りの改革が導入されたことになります。この改革により、県内全ての新高校生に機会が均等に与えられ、また各学校も独自のカラーを出しやすくなることで、学校間、生徒間において自由な選択と競争が与えられる時代へと変化してきました。
広島市地域の公立高校は、授業料の無償化や大学進学実績の向上とともに、人気が高まる傾向にある一方、学校間の難易度の差も明確になってきています。その結果、地域の上位高校への受験にやや慎重になる傾向がここ数年続いており、中堅に位置づけされる高校の倍率が高くなる現象が顕著になってきています。


■広島県東部を取り巻く高校入試
広島県の公立高校の入試制度は、ここ数年の全国的な制度改革と同様に①総合選抜制度の廃止②学区制の廃止③独自入試問題の導入④推薦制度の導入という一通りの改革が導入されたことになります。この改革により、県内全ての新高校生に機会が均等に与えられ、また各学校も独自のカラーを出しやすくなることで、学校間、生徒間において自由な選択と競争が与えられる時代へと変化してきました。
広島市地域においては、公立高校の無償化や大学進学実績の向上とともに、人気が高まる傾向にある一方、学校間の難易度の差も明確になってきています。その結果、地域の上位高校への受験にやや慎重になる傾向がここ数年続いており、中堅に位置づけされる高校の倍率が高くなる現象が顕著になってきています。

広島県の公立高校の選抜制度は、調査書・面接・小論文で合否が決まる「選抜Ⅰ」と5教科の学力検査・調査書(一部面接および実技試験)で決まる「選抜Ⅱ」と「選抜Ⅰ」「選抜Ⅱ」の結果、合格者が定員に満たない場合に実施される「選抜Ⅲ」の三つの選抜方法があります。この内容についてはここ数年大きな変更がないため一般的に定着してきたと思われます。
「選抜Ⅰ」では調査書の内容が絶対評価になるため、各学校の出願者の間では差がつきにくいと思われます。ですから、「選抜Ⅰ」の合否の決め手となるのは、小論文の内容になります。しかし、文章や資料から必要な情報を読み取り、自分の意見を文章表現していくことは、すぐにできるようになるものではありません。まして、「選抜Ⅱ」に比べ高倍率ということを考えると十分な対策が必要といえます。
「選抜Ⅱ」の合否は調査書+学力検査の比率が130:125で計算され決定していきます。しかしながら、近年は各高校独自に調査書と学力検査の比重を変更し合格者を決める合格枠を設定しています。特に地域のトップ高校では、学力重視の傾向があり、入試において高得点を獲得できる「学力」を身につけていかなければなりません。
また、「選抜Ⅰ」「選抜Ⅱ」の両方で重要なウェイトを占める調査書の点数は、通知表を基準とした「絶対評価」で評定されます。この絶対評価の評定のポイントになるのは、定期テストであることは間違いありません。ですから、中1の段階から毎回のテストについて、大切に取り組んでいく必要があります。このように見ていくと公立高校の入試対策は、中1段階からスタートし、中間・期末テストでしっかり結果を残していくとともに、実際の入試で求められる「学力」を同時につけていく必要があります。また年々人気が高まる公立高校の入試に対して早い段階から情報を収集しつつ万全の準備を行うことが重要です。
アクシスでは公立高校受験の「内申対策」として、定期テスト対策講座を年間カリキュラムに組み込み、毎回のテストに対してしっかりと対策を行っていきます。また、「学力重視」への対策としては、入試までの逆算カリキュラムで効率的・効果的に単元学習を行っていくと同時に、徹底した入試分析と、こちらで独自に実施する「広島県内全県模試」や学力テストから一人別の成績分析を行い、一人ひとりの問題対応力を強化していきます。
広島県公立高校入試制度

志望校合格に必要な対策とは…
上記のような高校入試の動向から、「志望校合格」に必要なキーワード(対策)が浮かび上がってきます。

全国の大学入試動向
大学全入時代と言われますが、難関大学の志願者は増加傾向で難易度にも変化がありません。
入学定員が入学希望者数を上回る「大学全入時代」をむかえました。確かに少子化による競争率の低下、大学・学部の新設や受験機会が増加するなど、合格しやすくはなっています。しかし、実際には人気のある大学に受験生は集中し、難関大の志願者は逆に増加傾向。難易度にも変化がないのが現状です。人気の学部はますます入りにくくなっています。こうした状況をふまえたしっかりとした受験対策が必要です。
AO・推薦入試
AO入試での入学が急増。推薦入試とあわせると大学進学者の半数に迫る勢いです。
大学入試は国公立大・私立大ともに、「一般入試」「AO入試」「推薦入試」の3つに分かれます。AO入試・推薦入試の割合は年々高まる傾向にあり、4年制大学進学者全体の半数に迫る勢いです。AO入試は、書類審査・小論文・面接などを組み合わせて学習意欲の高い生徒を取る入試制度です。推薦入試と似ていますが、「グループディスカッションなど推薦入試にない選抜方法を採用」「じっくりと人物を評価するため選考に時間をかける」などの点で異なります。2012年度は、私立大で466校、国公立69校がAO入試を実施しました。ただし、一部の難関大学でAO入試を廃止する動きも見られるので、志望校の入試動向には十分注意しましょう。
センター試験
センター試験は、国公立大・私立大の約9割が利用。
国公立大では5教科7科目が標準です。
2012年度のセンター試験の志願者数は約55万5500人。国公私立合わせて674の4年制大学がセンター試験を利用します。今や私立大のセンター利用数は、2012年度入試では513大学にのぼっています。主要な国公立大のほぼすべてにおいて5教科7科目が課せられるようになっており、受験生にとってはかなりの負担になると思われます。幅広い科目での基礎学力の強化がますます重要になっています。なお、2012年度入試より、社会科において「倫理」と「政治・経済」を統合した「倫理、政治・経済」が新たに加わっており、「倫理」や「政治・経済」を対象から外す大学もあるので注意が必要になっています。
国公立二次/私大入試
大学ごとに配点パターンが異なる国公立二次試験。小論文・面接を課す大学が増加傾向です。
私大入試は複雑で多様化。志望する大学・学部の入試方式に合わせた対策が不可欠となります。
国公立大の二次試験は「センター試験重視型」「二次試験重視型」「平等配点型」と志望大学によって配点パターンが異なるので、注意が必要です。二次試験で小論文や面接を課す大学も増えています。私立大の入試の基本は3教科型の受験ですが、センター試験利用のほか、複線入試・得意科目重視型・試験日自由選択制・地方試験・ユニーク試験などがあり、同じ大学の同じ学部で複数回の受験も可能です。このように多様化する入試方式の情報をつかみ、志望する大学・学部ごとの対策が必須となります。
広島県の大学入試動向
広島大学
理系人気・地元志向が広がる中で、受験生に高い学力を求める傾向が見られる。
その中で、受験科目・配点などの変更には特に注意を要する。
中国・四国地方の総合大学として高い人気を誇る広島大学。最近の経済状況の影響もあって、高校生の「地元志向」「資格志向」「理系志向」は根強く、2010年度から2011年度にかけて一般前期の志願者数は15%増え全体の合格倍率も2.6倍から3.0倍に上昇しています。
また2011年度入試から、教育学部に代表されるように個別学力検査の配点が前年の2倍になるなど、受験生一人ひとりに高い学力を求める傾向にあります。
2012年度入試においても、センター試験で文系学部で75%以上、理系学部で70%以上の正解が求められており、全国模試の総合偏差値で60以上を目標とした学習計画を立てる必要があります。
また2012年度センター試験から、地歴・公民と理科の科目選択方法の変更がありました。地歴・公民は、これまでは地歴と公民が別々の教科として扱われ、それぞれから1科目というように選択していましたが、「地歴・公民」の枠から2科目、というように選択できるようになりました。理科も同じように、「理科」という大きな枠から選択が可能になりました。それに加え公民には、新たに「倫理・政治経済」という「4単位科目」が新設され、このことにより、公民は「倫理・政治経済」のみ選択可にするなど、学部によって指定科目が変更されたので、要注意です。

県立広島大学・広島市立大学・福山市立大学
県内国公立大学で広島大学の次に人気を集めていたのが、県立広島大学と広島市立大学でした。ところが、平成23年4月に福山市立大学が新設され、一般入試初年度は学部数の多い県立広島大学を抜く1202名もの志願者を集めました。最近の「地元志向」「資格志向」と相まってますます公立大学の人気は高まると予想され、3校ともセンター試験重視の学部が多く、合格圏内に入るにはセンター試験の得点率が70%は必要となってきます。




















